中国の音楽マーケットと公演レポート

DJ OKAWARI China Tour 2019 with Celeina Ann ,Special Band
公演レポートおよび中国の音楽マーケットについて(助成レポート)

報告明細書とともに、このたびの公演レポートと、それにあわせて中国の音楽マーケットについてご報告を申し上げます。
尚、今回のご報告に先立ち、2018年11月のILCJ総会後の説明会にてご紹介いただきました、中国音楽配信サービスを提供されているHiFiveさんには、このたびのツアーとリリースにおいて、多くの情報提供とご協力をいただいたことについて、感謝と御礼申し上げます。

[アーティスト紹介]

DJ OKAWARIは静岡を拠点に活動するトラックメイカー/DJ。
ヒップホップのフォーマットをベースに、オリエンタルかつクラシカルな音質から多くのファンを獲得、2008年以降6枚のアルバム、そして今回のツアーにあわせて新作「Nightfall」をリリースしております。

関連動画のYOUTUBE総再生回数は8000万再生を超え、中国での大手配信サイトQQ音楽では34.5万(ツアー前、ツアー後は36万)、網易雲音楽(NetEase Cloud Music)では12万(ツアー前、ツアー後は19万)フォロワーを誇り、日本人アーティストのなかでもTOPクラス。
2018年には3月(上海・深圳・北京)、7月(台湾)、9月(昆明・深圳)そして11月(南京・杭州・重庆・成都)、12月(日本)と中国9都市、台湾、日本をまわるアジアツアーを開催、総動員数は8,500人を越え、軒並みSold Outを叩き出しました。
そして2019年の中国ツアーに際し、その客演に弊社シンガーソングライターのCeleina Annの起用が決まりました。3月はギター、ベース、ピアノ2台、サックス、DJにボーカルの計7名の大型BAND編成による4箇所公演、その後も6月、9月とあわせて計11公演あり、ツアーの経験値と中国におけるマーケティングを図るため、このたびの助成金申請をさせていただきました。

(QQ音楽)by HiFive資料

※参考までに、2018年10月の月間アクティブユーザー数はあるデータによれば、テンセント…2億7502万人 / ネットイーズ…8240万人
http://top.askci.com/news/20181121/1605141137154.shtml(この数字は、このニュースからとなります)

※こういったデータも正式/公式なものがないので、データの取り方によって、若干の揺れが出てしまうのが中国の現状のようです。(HiFive談)

[イベントスケジュール]

さてこのツアーにつきましては、
このたびの3月度に実施した4公演を含め、中国の10都市、11公演を予定しております。

【 日程 】  
 3月21日 广州 @MAO LIVEHOUSE
 3月22日 上海 @MODERN SKY LAB
 3月23日 上海 @MODERN SKY LAB
 3月24日 北京 @格瓦拉生活 – 糖果LIVE 三层

 6月27日 深圳 @B10 現場
 6月28日 苏州 @WAVE Livehouse
 6月29日 长沙 @46 LIVEHOUSE
 6月30日 武汉 @VOX LIVEHOUSE

 9月6日 成都 @成都乐空间
 9月7日 南京 @欧拉艺术空间
 9月8日 杭州 @MAO Livehous

上記地図からもわかるように、湾岸エリアの都市は沿海十四都市の開放により、多くの外国企業の誘致もある関係で、文化的にも発展をしています。そのため、ツアーの場所も基本的には湾岸エリアに多く寄っています。

そして3月度の公演は、いわゆる「一線都市」(上海、北京、広州、深セン)といわれる消費市場を引っ張る都市を中心に回りました。

[ライブの様子]

▼3月21日の 广州 @MAO LIVEHOUSE 
は初の广州ということで、動員の心配がありましたが、たくさんのお客様におこしいただきました。
(動員数:約400名)

▼3月22日 上海 @MODERN SKY LAB / 3月23日 上海 @MODERN SKY LAB
(動員数:約600名+1000名 2公演 計1600名)

▼3月24日 北京 @格瓦拉生活 – 糖果LIVE 三层(動員数:約800名)

今回の4箇所ツアーで一番の驚きは、8割の方が英語に精通していたということです。音楽的にも英語詞ではあるものの、LIVEでの会話も英語が十分理解されており、オーディエンスがアッパーなところに属することがよく分かりました。中にはUSAのNASAからこのLIVEのために帰国された方もいらっしゃいました。

また都市の文化的側面ですが、もともと北京はROCKが強いときいておりましたが、今回他ジャンルも十分通用することがわかりました。
6月、9月については、湾岸都市だけではなく、内陸のほうや新たに取り組む都市もあるため、引き続き報告できれば幸いです。
ちなみに、今回のツアーにおいて、ツアーとリリースにおける取り組みによって、
冒頭のフォロワー数は
QQ音楽:34,5万⇒36万
NetEase Cloud Music:12万⇒19万
Weibo:2400⇒3000
となっております。

[中国におけるCD事情]

ツアーには物販が欠かせませんが、中国は持ち込みが難しい国です。
一方、このツアーは音楽に価値を求めて来場したオーディエンスがほとんどのため、CDのニーズは大変高く、現場ではCDについてのお問い合わせなども多くよせられます。

そこでCDについては、HiFiveと製造委託やライセンスなどの相談をし、中国国内で製造する方法を模索しました。
中国ではCDは出版物扱いであり、そのためには出版番号をとる必要があります。が、外国企業が出版ナンバーを取得するのは、最近かなり難しくなっているため、HiFiveに中国でCDをリリースする権利をライセンスし、中国企業であるHiFiveが出版ナンバーを申請するのが得策であろうと動いておりました。
また、中国で最初に発売する出版物の場合は、出版ナンバーの取得も割とスムーズで、申請から取得まで、約20営業日程度、これにCD製造日数が必要です。
一方、他国で先に出版したものを中国国内で出版する場合は、申請からCD製造までに3ヶ月~4ヶ月以上の時間もかかることがわかり、結果3月、6月ツアーについては間に合わず、これは今後の課題と考えております。

こちらもまた報告できる場所があれば共有し、アジア圏においてJapan Musicがさらに聞かれるような取り組みを考えていきたいと思います。
中国において日本の音楽のシェアは数パーセントときいています。その数パーセントでも、今回のような事業の取り組みは可能と考えれば、さらに日本の音楽を聴いてもらう機会を業界通じて進めていくべきと、今回のご報告が少しでも役に立てれば幸いと思います。
このたびはありがとうございました。

 

2019.4.15
株式会社STARBASE